2024年3月26日

自社ローンは債務整理中でも組むことができる?注意点やポイントを解説!

現在債務整理中の方や、過去に自己破産をした方は、ディーラーや銀行のカーローンの審査に通ることは難しいでしょう。

では、販売店が独自で行う自社ローンでは債務整理中でも組むことができるのでしょうか。

そこでこの記事では、債務整理中でも自社ローンで車が購入できるかどうかについて詳しく解説します。

債務整理中の方や自社ローンを利用して車の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

債務整理は3つある

債務整理は、過重な借入れによる金融的苦境から抜け出すための法的手続きのひとつです。

しかし、債務整理といってもその種類は複数あり、それぞれ異なる特徴と手続きがあります。

債務整理には主に以下の3つの種類があります。

  • 任意整理
  • 自己破産
  • 個人再生

それぞれ詳しく解説していきます。

任意整理

任意整理は、債務者が直接貸し手と交渉を行う手続きです。

金利の引き直し(過去の取引履歴をもとに、利息制限法に基づいた利率に直して利息を再度計算し直す)や返済期間の延長などを行い、返済負担を軽減します。

たとえば、5%の金利で借りていた借金を3%や2%に引き下げることができる場合があります。

また、返済期間を5年から10年に延長し、月々の返済額を半額以下に減らすことも可能です。

任意整理によって、債務者は日々の返済が容易になり、生活の質を維持しつつ債務を返済できます。

ただし、この手続きを行うと信用情報に記録されて一定期間(通常は5年間)、新たな借入ができなくなります。

自己破産

自己破産は、裁判所から「返済は不可能である」と認められ、借金から解放されるための法的手続きです。

たとえば、1,000万円ある借金も自己破産の手続きを通じて、借金をゼロにすることができます。

自己破産を行うと、裁判所の命令により車や家、土地などの資産を売却しなければなりません。

また、弁護士への依頼手続きや必要書類を揃えるなど、自分で行う必要があります。

手続き完了後は、新たな借入が10年間できなくなり、その間は金融機関からの信用を得ることはできません。

個人再生

個人再生は、債務者の借金を最大8割減額し、残った20%の借金に対して5年から10年の間で返済を行う計画を立てる手続きです。

たとえば、500万円の借金がある場合、個人再生により100万円に減額され、月々の返済額も大幅に減らすことができます。

この方法は、住宅ローンがある場合に有効で、住宅ローン以外の借金を減額しつつ、自宅を維持することが可能です。

ただし、個人再生を行うと、信用情報にその記録が残り、新たな借入は5年から10年間は難しくなります。

また、「官報(国が唯一発行する法令交付の機関誌)」に名前が掲載されるため、一部の人には手続きが公になる可能性もあります。

自社ローンなどのカーローンは債務整理中でも組むことができる?

自社ローンを含むカーローンは、債務整理中でも組むことができるのでしょうか。

ここでは、債務整理中におけるカードローンについて詳しく解説します。

債務整理中は原則ローン組むことができない

カーローンには、銀行系カーローンとディーラー系カーローン、自社ローンの3つがあります。

そのなかでも債務整理中は原則、銀行系カーローンとディーラー系カーローンを組むことができません。

債務整理の手続きを行うことで、その記録は信用情報機関に数年間残されます。

また、信用情報には、過去の借入れ履歴や返済状況、遅延支払いの有無なども細かく記録されている場合が多いです。

金融機関はこれらの情報を基に申込者が長期にわたって安定して返済を続けられるかどうかを厳しくチェックします。

そして、任意整理を行った記録が信用情報に残っている場合、ほとんどの金融機関は「返済能力が不安定である可能性が高い」と判断します。

そのため、任意整理中の人が銀行系マイカーローンやディーラーローンの審査に申し込んでも、審査が通らない場合が多いです。

審査が通りにくい理由

債務整理中に銀行系カーローンとディーラー系カーローンが通りにくい大きな理由は、申込者がいわゆる「ブラックリスト」に載るからです。

「ブラックリスト」という用語は、金融業界で信用情報に重大なマイナス記録がある消費者を指すワードです。

この状態にある人々は、新たなローンやクレジットカードの審査において、返済能力が低いと判断され審査が通りにくくなります。

また、任意整理の場合は完済後も最長で5年間、自己破産や個人再生の場合は最長で7年間の記録が残るといわれています。

このような背景から、債務整理を行った人が再び信用を回復させるためには長い時間が必要です。

債務整理中でも審査に通る自社ローン

債務税理中でも全てのローンが通らないという訳ではありません。

銀行系カーローンやディーラー系カーローンとは異なり、一部の自社ローンではローンの審査に通ることもあります。

自社ローンとは、販売店が独自に行っているサービスで、販売店に車両代金を立て替えてもらい毎月返済していく仕組みのことです。

自社ローンでは、現在の支払い能力を重視した審査を行っています。

そのため、債務整理中やブラックリストに登録されていても、返済能力があると判断されれば審査に通る可能性があります。

自社ローンを利用する際には、利息率、返済期間などの条件をしっかりと確認し、自分の返済能力に合った計画を立てることが重要です。

そのため、車の購入を検討しているが、過去の履歴によりなかなか審査が通らず苦戦している場合には、自社ローンであれば通る可能性があるので、一度相談してみても良いでしょう。

自社ローンの問い合わせはこちら

債務整理中で自社ローンを組む際のポイント

販売店によっては、債務整理中でも自社ローンを組むことができますが、必ず審査に通る訳ではありません。

そのため、自社ローンを組む際に以下のポイントを押さえて審査に申し込むと通りやすくなります。

債務整理中で自社ローンを組む際のポイント

  • 保証人を立てる
  • 頭金を用意する
  • 借入額をできる限り減らす

それぞれのポイントについて詳しくみていきましょう。

保証人を立てる

保証人を立てることで、、申込者の信用力が上がり審査が通りやすくなります。

ただし、保証人も信用力をチェックされるため、選ぶ際には経済的安定性と信頼性が重要なポイントとなります。

保証人は、一般的に親や兄弟、親戚を選ぶ場合が多いです。

しかし、もし返済が滞った場合にどのような影響があるかを、事前にしっかりと説明を行い理解してもらうようにしましょう。

頭金を用意する

頭金を用意することで審査に通る可能性が非常に高くなります。

一般的には、購入価格の20%〜30%以上の頭金を用意しておくと良いといわれています。

より多くの頭金を用意できれば、それだけ販売店に対する信頼度は高まり、通りやすくなるでしょう。

また、頭金を多く用意することで、ローンの残高が減少して返済期間を短縮することが可能です。

これにより、利息の総額も減少して支払う総額が減るため、経済的負担が軽減されます。

このように、頭金を準備することで審査が通る可能性が高くなるため、可能な限り用意すると良いでしょう。

借入額をできる限り減らす

借入額をできる限り減らすことで審査に通りやすくなります。

借入額を減らすためには、希望の車両を変更したり、グレードを下げたりすることで可能です。

また、車両価格について販売店と交渉することも重要です。

価格交渉がうまくいけば、それだけ少ない金額で借りることになり、返済の負担も軽減されます。

さらに、先述の通り頭金を用意することで借入額を大幅に減らすことができるでしょう。

債務整理中に自社ローンを組む際の注意点

債務整理中に自社ローンを組む際には、以下の3つの点に注意しましょう。

債務整理中に自社ローンを組む際の注意点

  • 支払いが滞ると車を取り上げられてしまう可能性がある
  • 支払い総額を確認する
  • GPSがつけられることもある

それぞれ詳しく解説します。

支払いが滞ると車を取り上げられてしまう可能性がある

自社ローンを利用して車を購入した場合、ローンの返済が滞ると車を取り上げられてしまう可能性があります。

自社ローンの契約には、返済が遅れた場合に販売店が車を回収する内容が明記されていることが多いです。

実際に返済が滞った場合には、この条項に基づき車が取り上げられることになります。

そのため、ローンを組む際には返済計画を慎重に立て、滞らないように返済することが大切です。

支払い総額を確認する

債務整理中に自社ローンで車を購入する際、注意すべき点が支払い総額です。

自社ローンは、銀行系ローンやディーラー系ローンと異なり、金利がなく手数料が上乗せされる仕組みです。

つまり、金利がなくても手数料やその他の費用が追加されることで、実際に支払う総額が予想よりも高額になるケースがあります。

そのため、契約前には月々の返済額だけでなく、総額でいくら支払うことになるのかを把握することが重要です。

この総額が自身の返済能力に見合っているかどうかを慎重に検討し、無理のない範囲での契約をしましょう。

GPSがつけられることもある

債務整理中に自社ローンで車を購入する際、販売店が車両にGPS追跡装置を取り付ける場合があります。

この措置は、ローンの返済が滞った際に車を迅速に回収するために行われます。

GPS追跡装置により、販売店は車両の現在地をリアルタイムで把握できるため、リスク管理を強化することが可能です。

しかし、購入者のプライバシーに関わる問題や、ローン返済に関して心理的負担を感じる原因にもなります。

そのため、自社ローンを利用する際には、事前に販売店が車両にGPS装置を取り付けるかどうかを確認しましょう。

債務整理中でも車を所有する方法

債務整理中にいろんな対策をしても、カーローンを利用できない方も多いでしょう。

ここでは、どうしても車が必要な方に向けて、債務整理中でも車を所有できる4つの方法を解説します。

債務整理中でも車を所有する方法

  • レンタカーやカーシェアサービスを利用する
  • 家族名義にする
  • 審査に通る自社ローン会社を利用する
  • 中古車など安い車を一括で購入する

それぞれの方法について詳しくみていきましょう。

レンタカーやカーシェアサービスを利用する

レンタカーやカーシェアサービスは、債務整理中の方にとって非常に便利なサービスです。

これらのサービスは、審査が緩い、あるいは不要であるため、債務整理の影響を受けずに利用することが可能です。

また、レンタカーでは支払いを現金で行うことができるので、クレジットカードが使えない方でも利用することができます。

しかし、レンタカーやカーシェアサービスを長期間使用するとコストが大きくなります。

そのため、使用頻度を検討し、自身のライフスタイルや経済状況に合わせて、上手く活用することが大切です。

家族名義にする

債務整理中の方でも家族の一員が車を必要としている場合は、その家族名義でカーローンを組むことで審査に通すことが可能です。

この際、カーローンを申し込む家族の収入が安定しており、信用情報に問題がないことが必須条件となります。

ただし、名義貸しにならないように注意が必要で、ローン返済のための口座も契約者名義のものにしなければなりません。

債務整理中でも家族が代わりに車のローン契約を行うことで、運転することが可能となります。

審査に通りやすい自社ローン会社を利用する

先述のとおり、自社ローンを利用すれば、債務整理中であっても車を購入することが可能です。

さらに金利がかからないため、支払いの負担を感じにくいのが大きなメリットです。

自社ローンでは、販売店が独自の基準で審査を行うため、比較的審査に通りやすい傾向にあるので、ローン条件を確認して利用を検討しても良いでしょう。

問い合わせはこちら

中古車など安い車を一括で購入する

現金一括購入は、カーローンを組む必要がないため、債務整理中でも比較的容易に車を手に入れることができる方法です。

また、格安の中古車を選んだり、信頼できる知人から車を譲り受けたりすることで、初期投資を大きく抑えることができます。

特に、格安の中古車を選ぶ際には、価格の安さだけでなく、維持費や燃費の良さなどを考慮することが大切です。

車を所有すれば、毎年保険や税金、メンテナンス代、ガソリン代などの維持費が必ず必要になります。

そのため、購入前にこれらの維持費用も含めて、自分の経済状況に合っているかどうかを確認することが重要です。

まとめ

債務整理中は、ローンを組めないと思われがちです。

しかし、自社ローンであれば、販売店が独自に審査基準を設けているため、多くの方が車を購入できるチャンスがあります。

特に、保証人を立てる、頭金を用意するなどの工夫をすることで、審査の通過率を高めることが可能です。

また、ローンを利用する以外にも、レンタカーや家族名義での購入、現金一括での中古車購入などの方法もあります。

これらの方法は、個々のライフスタイルや経済状況に応じて、選択することが可能です。

重要なのは、返済計画や車の維持費用を事前にしっかりと計算し、経済状況に合わせた範囲で計画を立てることです。

これにより、債務整理中でも負担を最小限に抑えつつ、車を所有することができます。

自分にとって最適な方法を選び、理想のカーライフを実現してみてください。

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